除雪機用のガソリンはどこで購入する?
ガソリン式の除雪機を動かすためのガソリンは、ガソリンスタンドで購入します。ただ、ガソリンは使い方を間違えると、人の生死にも関わる事故につながりかねません。ガソリン購入のポイントについて解説します。
ガソリンスタンドで購入は可能だが注意点あり
ガソリンスタンドでガソリンは購入できます。
ただし、無条件ではなく、いくつか守るべき注意点があります。定められた携行缶、本人確認、フルサービスのガソリンスタンドで購入する点です。
販売記録は、販売日や購入者の氏名、住所、使用目的や販売量などを記録します。ただし、セルフスタンドで購入者が自分で容器に詰め替えることは禁止されているため注意が必要です。灯油感覚で取り扱っていると、取り返しのつかない事故につながりかねません。
また、セルフのガソリンスタンドで携行缶への給油は禁止されています。法令で、セルフのガソリンスタンドは、利用者が自動車、自動二輪車、原付以外に給油するのを禁止しているからです。
基本的にスタッフが常駐している、フルサービスのガソリンスタンドでしか購入できません。ただ、お店や企業の方針によって禁止しているお店もあります。それだけ取り扱いがむずかしく、危険なものなのです。
消防法令の改正によりガソリン販売の規制が強化されました
令和2年2月1日から、ガソリンスタンド事業者は、ガソリンを携行缶などの缶に詰め替えて販売する場合、購入者の本人確認や使用目的、販売記録の作成が義務付けられるようになりました。携行缶は消防法令の基準に適合した容器が必要です。
規制が強化されたわけ
消防法が改正されたきっかけは、令和元年7月の京都アニメーション放火殺人事件です。犯人はアニメ制作会社京都アニメーションの第一スタジオに侵入してガソリンをまいて放火し、多くの死傷者を出しました。社会的なインパクトは大きく、規制が強化されるのも当然の事件だったと言えるでしょう。
除雪機のガソリンを購入する際に押さえておきたいポイント
除雪機のガソリンを購入する際、事前に押さえておきたいポイントがいくつかあります。
ガソリン用としての性能試験に合格した容器が必要
入れる容器は、性能試験に合格したものでないと認められません。家に灯油用のポリタンク、飲料用のペットボトルや一斗缶があっても、使用して運ぶことはできないのです。プラスチックや金属製でも、性能試験に合格していないと運べません。
性能試験に合格しているのを前提とし、プラスチック容器でも最大容量10リットル以下と決められています。性能試験に合格した専用容器を求めるなら、ホームセンターや自動車用品店で取り扱っているため、チェックしてみてください。
ガソリンスタンドで購入を断られる場合がある
ガソリンスタンドで購入を断られる場合があります。セルフ式で販売は認められていませんし、義務付けられた本人確認や使用確認、販売作成を拒否すれば購入することはできないでしょう。性能試験に合格していない容器でも断られますし、お店や企業方針で断られるケースもあります。ガソリンスタンドも取り扱いには慎重なのです。
他にも、1日あたりの指定数量以上の販売は原則禁止されており、断られることもあるのです。1日のうちの指定数量は、ガソリンだと200リットル、経由だと1,000リットルと決められています。
セルフ式ガソリンスタンドでの購入は自動車・バイクのみ
セルフ式ガソリンスタンドで購入できるのは、自動車やバイクの燃料タンクに入れる用途のみです。そのため、除雪機のために購入したいと従業員に相談しても断られる可能性があります。
セルフ式ガソリンスタンド側も、利用者が勝手に携行缶へ給油していないか目を光らせています。セルフ式ではなく、フルサービスのガソリンスタンドに相談したほうがいいでしょう。
購入したガソリンは車で運搬可能
購入したガソリンは自動車で運ぶのは許されています。ただし、いくつか制限があるため注意が必要です。
入れた容器は性能試験に合格した金属製のもので、最大容量22リットル以下と定められています。
運搬する量の制限はありません。ただし、指定数量のガソリンだけで200リットル、軽油だけで1,000リットル以上なら1台の自動車に積む場合、「危」という標識の掲示や消火器が必要です。過積載は道路交通法違反になります。
ガソリンを取り扱う際の注意点
ガソリンは危険物という点を忘れてはいけません。注意を怠ると、生死に関わる事故につながります。
容器のフタを開けるだけでも、内部の圧力が高い状態だと可燃性蒸気が噴き出す危険性があるのです。徐々に圧力を下げるためにエア抜きをしたほうがいいでしょう。
自動車にガソリンを入れた容器を放置したままも危険です。直射日光も危険で、入れた容器が熱を持っている場合は、フタの開放もエア抜きもしてはいけません。ガソリンの携行缶の外部が熱い、フタが固くて開かない場合などは慎重な取り扱いが必要です。
そのような場合は、火気や人がいない場所に移動し、6時間程度、常温温度まで下がるのを待ちます。その後、エア抜きをしてください。保管する際は、指定数量のルール厳守が求められます。各自治体の火災予防条例のチェックが必要です。
たとえば、指定数量1/5以上、指定数量未満では、保管や取り扱いのために届け出もしなければなりません。
流出しないように、設備の設置が必要になったり、壁や柱などにも制限が設けられていたりします。ガソリンは危険物であり、静電気でさえも火災や爆発につながりかねません。
自分だけではなく、家族や他人も巻き込む危険なものなのです。除雪機のガソリンを取り扱う際には、くれぐれも注意しましょう。
ガソリンの保管について
40リットル未満であれば届け出の必要なし
40リットル以上のガソリンを保管する場合には、消防署への届け出義務があります。設備に関する規則を守る必要もあります。一方、ガソリンの量が40リットル未満である場合には、そういった定めはありません。ただし、軽油などをはじめとする複数種類の危険物を取り扱うときには、その総量が指定数量を超えないよう注意する必要があります。
容器の保管場所
ガソリンを入れた容器の保管場所を、慎重に選ぶ必要があります。ダンボールなど、絶縁体の上に保管してしまうと、ガソリンに静電気がたまった状態が続くため、とても危険です。
静電気が下に逃れられるようにするために、金属製の床面や棚などに保管しましょう。
そしてもうひとつ、容器からガソリンの蒸気が漏れないように注意する必要があります。容器のフタをしっかりと閉めておくことが重要です。
また、換気をこまめに行って、容器保管場所の通気性を良好な状態に保っておくのも忘れないようにしましょう。
除雪機へ給油する際の注意点
ガソリンは、揮発性が高く引火しやすい危険な燃料ですから、除雪機にガソリンを給油するときには、次にあげるポイントを守って行うようにしてください。
- ガソリンの給油を始める前に必ず除雪機のエンジンを切っておく
- 静電気をしっかりと除去しておく
- 換気のいい場所を選んで給油を行う
- 規定量をオーバーしないように注意する
- 給油を終えたらキャップがきっちりと閉まっているかどうか確認する
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