ビニールハウスの雪対策
雪によるビニールハウスの被害について
雪国では、ビニールハウスが受ける被害の多くが強風によるものです。ビニールハウスの周囲には風を遮るものが少なく、時には強い風にさらされることで、ビニールが剥がれたり、最悪の場合は倒壊したりする危険があります。一方で、雪による被害は比較的少ないものの、積雪の重みによってハウスが押しつぶされ、大きな損害を受けることもあるため、十分な対策が求められます。
ビニールハウスへの具体的な雪対策
ハウスにタイバーを取り付ける
積雪の影響でハウスの側面に圧力がかかると、柱が内側に押し込まれ変形し、同時に棟部が上方へ押し上げられることがあります。これを防ぐために、ハウス内部にタイバーと束を設置することで、側面への圧力に対する補強が可能になります。
さらに、クロスタイバーを併用することで、タイバーと束のみの補強よりも高い効果を得ることができます。ただし、クロスタイバーはアーチパイプの肩部付近に取り付けるため、カーテンや内装などの他の設備と干渉する可能性がある点には注意が必要です。
ビニールハウス同士を離す
ビニールハウスの立地や周辺環境を考慮した雪対策も重要です。降雪地域では、ハウスとハウスの間に雪が大量に溜まり、それが原因でハウスが押しつぶされる恐れがあります。特に、隣接するハウス同士の間隔が狭いと、雪の重みでハウスの側面が圧迫され、破損や倒壊につながる可能性が高まります。
そのため、すでにハウスが建っている場合や、複数のハウスを並べて建設する際には、ハウス同士の間隔を最低でも2メートル以上確保することが推奨されます。この適切な間隔を保つことで、雪がスムーズに落ちやすくなり、過度な負荷がハウスにかかるのを防ぐことができます。
日々の管理も重要
ビニールハウスの被害を防ぐためには、日々の点検と保守を欠かさず行うことが重要です。ハウスの耐久性や強度を低下させる大きな要因の一つが、パイプなどの骨組みに発生するサビです。特に地際部分は最も腐食しやすく、ハウス全体の強度に大きく影響を与えるため、定期的なチェックを怠らないようにしましょう。
また、積雪による負荷を軽減するために、暖房機を稼働させてフィルムの表面温度を4℃以上に保つことで、雪が自然に滑り落ちやすくなります。加えて、除雪機を使用してこまめに雪を取り除くことも、ハウスの倒壊を防ぐために欠かせません。これらの日常的なメンテナンスを徹底することで、ビニールハウスの安全性を確保し、雪害による被害を抑えることができます。