除雪機を利用する際は砂利に注意
除雪機は砂利や石に特別注意が必要です。除雪機が取り除くのはあくまで雪で、砂利は対象ではありません。砂利が原因で、除雪機を傷めるリスクがあります。除雪機にとって砂利や石はどんなリスクがあるのか?対策はあるのか?除雪機と砂利や石について解説します。
砂利や石は除雪機にとって苦手な敵
除雪機にとって砂利や石は大敵です。理由は複数あります。除雪機にはオーガという回転刃があり、砂利や石でダメージを受けてしまうのです。跳石が人に当たれば大ケガや事故につながります。個別に具体的なリスクについて解説していきます。
オーガを痛めてしまうため
除雪機には、オーガという回転刃が備わっています。除雪機では重要役割を持っている部位です。除雪機が除雪する仕組みは、まず、前方のオーガハウジングに雪を取り込みます。取り込まれた雪は、中にあるオーガで撹拌され、細かく砕かれるのです。
オーガハウジングの1番奥には、インペラという回転するプロペラがあります。細かく砕かれた雪はインペラにより、シューターを通って外へ吹き飛ばされて除雪されるのです。
オーガは雪を粉々にするために薄く、鋭くなっています。オーガは雪なら砕けますが、石はどうしようもありません。回転するオーガに石が当たれば、大きなダメージを受けるのは必然です。石以外に、砂利にも同じことがいえます。オーガが傷むことは、除雪機の機能を損なう要因のひとつになるのです。
ただ、除雪機には安全装置が備わっています。オーガに石や砂利がぶつかると、オーガだけのダメージに収まらず動力軸にも負担がかかるのです。動力軸が損傷すれば除雪機の故障につながるため、安全装置が働きます。シャーボルトという部位が折れて、オーガと動力軸が離れるのです。
安全装置が働くといっても、石や砂利がオーガにぶつかった途端、すぐに折れたり動力軸が損傷して動作がストップし、動かなくなるケースはほとんどありません。ただ、安全装置のシャーボルトは「折れる」のです。つまり、使い回しができません。再び除雪機を動かすには、シャーボルトの交換が必要です。
シャーボルトが何度も折れてしまえばその分、コストがかかります。除雪中、シャーボルトを交換する作業も手間がかかるのです。また、安全装置が働くほどではなくても、なんどもオーガに石や砂利がぶつかれば、ダメージは蓄積されます。
結果、オーガの刃が欠けるケースも出てくるのです。そのまま使用すると、動力軸やオーガミッションに負担をかけます。最終的にオーガを交換しなければならなくなることも。石や砂利が除雪機にとって大敵な理由です。
跳石(ハネイシ)によるケガや事故のリスクがある
跳石も除雪機を扱うときには注意が必要です。除雪機で跳石が起こる原因は、回転するオーガで、石や砂利を飛ばしてしまうからです。日常茶飯事に起こることではないですが、跳石は危険です。跳石は自動車でも起きますが、フロントガラスに当たるとヒビが入るケースもあります。
除雪機も同じです。除雪機による跳石が歩行者にぶつかったら大ケガにつながります。目に当たってしまう、幼い子に当たってしまう、建物の窓を割ってしまうなど、さまざまなリスクがあります。除雪機を動かすときは跳石に注意しなければなりません。
砂利・石への対策はある?
オーガにぶつかり故障につながる、跳石で人にケガをさせてしまうリスクは理解できていても対策は簡単ではありません。雪の中の石や砂利を見極めて避けて除雪するのは至難の業です。ただ、異音や地面から少し離して除雪するなどの対策はできます。
異音がしたらすぐに止める
異音がしたらストップしてください。高速回転するオーガに、石や砂利が当たれば、必ず音が発生します。「カーン」「ガッ」という音は、通常発生しません。異音が発生したということは、イレギュラーが起きた可能性が高いのです。
異音が起きたらまず除雪機を止めます。その後、完全に動きが止まり、機器の熱も治まったら、オーガハウジングをチェックしてください。除雪前には「異音があればすぐに止める」というのを頭に叩き込んでおいたほうがいいでしょう。
地面から少し離して除雪する
地面から少し離して除雪するのも有効な対策です。雪がないとき砂利道だったのがわかっていれば、地面ギリギリの場所を除雪するのは得策ではありません。数センチほどの雪が残るのはしかたがないとあきらめて除雪しましょう。砂利道や石がある地面ギリギリを除雪しようとすると、オーガやオーガハウジングにまでダメージを与えかねません。
ソリ・スクレーパーの高さを調節する
路面の砂利や石の状態をふまえた上で、ソリとスクレーパーの高さを調節しましょう。ソリの調整を行う際には、左右の高さに差が出ないように注意してください。
投雪方向に注意する
シューターから雪と一緒に砂利などの石が飛ばされることもあるため、シューターの向きには注意しましょう。除雪機のなかには、かなり遠くまで雪を飛ばすことのできる機種もあるので、慎重に除雪作業を進めるため、まずは近い所に飛ばしてみてから様子を見つつ距離を伸ばしていきましょう。
特に注意が求められるのは、舗装されていない砂利が敷いてある場所です。オーガに石が巻き込まれてしまった場合、石が飛んでいく距離は、雪の数倍になる可能性があります。
雪が降る前の掃除
雪が降り始める前に、除雪が必要になる場所の点検を行っておくことをおすすめします。異物や砂利・石などがある場合は、可能であれば取り除いておきましょう。また、大きな障害物があるときは、そこに目印になるような棒を立てておくなどして除雪作業に備えます。
砂利を気にせず使える除雪機はある?
石と砂利のリスクを避けようと、原因と対策を理解しておくことは大切です。ただ、除雪作業を急いでいたり、気をつけていても、うっかりミスは起きたりします。砂利や石を気にせず使える除雪機があれば便利です。実は、砂利をあまり気にしなくてもいい除雪機があるためご紹介します。
雪を飛ばさないドーザー式を選ぶ
ドーザー式の除雪機なら雪を飛ばしません。押し出して集めることができます。雪を吹き飛ばす除雪機は、ロータリー式です。ドーザー式は小型ブルドーザーに似た形をしています。除雪が必要なエリアに住んでいる方は、自治体や建設会社による道路の除雪作業を見たことはあるでしょう。
道路の除雪に使用しているのは大型のドーザー式です。家庭用で小型のドーザー式の除雪機も市販されているため、砂利に振り回されたくない方は選択肢に入れてみてください。オーガやシューターのような複雑な構造ではないため、価格もリーズナブルです。
ドーザー式なら、吹き飛ばすための構造がないため、石や砂利を気にしなくて済みます。「雪は吹き飛ばして除雪する必要がある」という方以外なら選択肢に入れてもよいでしょう。
オーガ調整機能のある除雪機を選ぶ
オーガ調整機能がある除雪機も、石や砂利対策になります。「除雪では吹き飛ばしたい」という方のニーズに応えてくれる機能です。石や砂利でダメージを受けるのがオーガなら、接触させないことを考えたほうがいいでしょう。対策は上記でも解説した地面ギリギリの除雪にしないことです。
オーガ調整機能がついている除雪機なら、位置を上に調整できます。オーガは通常より上にあるため、地面に近づき過ぎず除雪ができるのです。石や砂利を巻き込むリスクが少なくなります。ドーザー式以外の除雪機なら、オーガ調節機能の有無をチェックしてみてください。
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