店舗・会社での除雪方法・注意点
店舗で雪かきをする方法や注意点をまとめました。雪かきをしないと転倒リスクが高まるため、効果的な方法を知っておきましょう。
店舗・会社での除雪方法
早く雪かきをするか凍結防止剤をまく
早めに出社して、雪かきをしたり凍結防止剤をまいたりする対策は有効です。店舗や会社にはお客や従業員や取引業者まで多くの人が訪れます。その際、積もった雪が踏まれると固くなり、滑りやすくなるのです。踏み固められると氷のようになると、目視しづらくなります。対策として天気予報をチェックして、事前に凍結防止剤をまくのは有効です。朝起きたら積もっていたら、早めに出社して雪かきするようにしましょう。
雪を貯める場所を決める
雪を貯める場所を事前に決めておきます。道路、下水道、川のような公共の場は雪を捨ててはいけません。禁止されているために、雪は店舗や会社の敷地内、人の移動を邪魔しない、危険ではない場所に集めておきます。また、晴れたら溶けるように太陽の光が当たる場所に集めるのもポイントです。
側溝や障害物など見えない危険は看板で注意喚起
雪が降ると普段見慣れた光景も違ってきます。危険なのは側溝やブロックのような障害物の場所、道路との境目が分かりづらくなる点です。雪かきをするだけでなく、側溝や障害物の場所が雪に隠れているなら、看板を作ったり、店内放送をしたりして注意喚起するといいでしょう。
一度に大量ではなく少しずつ運ぶ
雪かきを少人数でするような場合、大きな負担がかかります。負担を減らすなら、重心を低くて雪に近づいて持ち上げるようにしましょう。その際、スコップの柄のギリギリを持つことで、過剰に力を入れなくて済みます。一度に大量だと負担が大きいため、少量ずつ運ぶことで楽になるのです。
できるだけ2人以上で雪かきをする
一人での作業だと周囲のことがわかりづらくなることがあります。集中しすぎて再び大雪が降りはじめたり、車が来たりするのに気づかず危険な状況になりかねません。そのため2人以上で雪かきをするのがポイントです。また、報告しながら行うことで危険を避けられます。
無理は禁物
雪かきで無理は禁物ですし油断するとケガにつながりかねません。とくに屋根の雪下ろしは、毎年、落下事故が起きています。「体力もあるし雪かきなんて簡単」と油断していると、大ケガのもとです。雪かき前は入念な準備を心がけましょう。長靴やスコップなど雪かきのための道具も用意し、雪かきをする人全員に注意点を共有することで、効率的で安全に行えます。
除雪専門の会社に依頼する方法もある
自社スタッフで無理をして雪かきをするより、除雪専門の業者に依頼する方が効率的で安全なケースもあります。
除雪専門業者は、集合住宅や店舗、商業施設などを対象として、シーズン契約によって除雪作業を行ってくれます。排雪方法も選ぶことができ、除雪の十分な体積場所がある場合は通常排雪、堆積場所がない場合は排雪作業も実施。必要に応じて段差解除や雪庇処理も依頼できます。
業者によっては年間契約・単発作業と複数のプランを用意しているため、希望に応じた除雪サービスを受けることができるでしょう。
雪かきを行うコツは?
雪かきを行うコツは上記のように、負担を少なくする、安全第一と情報の共有です。負担を少なくするには、2人以上で実施する、雪に近づく、少量ずつ運ぶことを意識してください。スコップの柄ギリギリを持ち、重心を低くして、腕の力だけではなく体全体で持ち上げるのがポイントです。また、公共の道路、下水道や川に捨てるのは禁止されているため、敷地内の隅に運ぶようにしてください。晴れれば自然に溶けてくれます。
雪による事故やリスク
実際に雪が原因により起きた事故はあります。たとえば、ある店舗では外の階段が凍っていました。階段には融雪、凍結防止システムは設置されていました。しかし温度管理がずさんな状況だったため、雪により訪れたお客が階段で転倒してケガを負っています。店舗側は適切にシステムの温度管理をしていなかったことの責任を問われているのです。
他にもスーパーの入口のマットでお客が転倒し、右ひざを骨折しています。店内でも油断できません。高齢者が転倒して、右腕を骨折した事例もあるのです。また、屋根から雪が落下して、訪れたお客の首に直撃、店舗屋根から落ちた雪が車に落ちてへこんだ事例もあります。雪による事故やリスクは多いのです。
従業員・社員が雪かきする場合の注意点
雪かきのケガの労災認定について
業務起因性も認められれれば、雪かきも労災認定されます。業務起因性は、雪かきの時間が「使用者の指揮命令下に置かれている」状況(業務遂行性)であるかどうかがポイントとなります。
通常私的に雪かきを行った場合は労災の認定はされません。しかし、会社のスムーズな業務遂行のためと判断されれば、従業員個人の私的行為とはみなされません。
また、会社の敷地内か、敷地外かというのも、認定の判断を左右するポイントです。たとえば、従業員が自分の意志で、会社の敷地外で遠く離れた場所で雪かきをして事故が起きたとします。その場合、業務に起因する行為とはみなされません。労災認定されない可能性が高いのです。
一方で敷地外でも、会社に出入りするために必要な場所において、常識的範囲内で雪かきをしていたとします。その場合は、業務起因性が認められる可能性があります。ただし、絶対的なものではなく、個別の具体的な状況で判断される点に注意が必要です。
時間外手当の請求について
始業前に雪かきを命令された場合、時間外手当を請求したくなる方も多いでしょう。労働時間と判断されるかどうかのポイントは「使用者の指揮命令下に置かれて、明示、または黙示の指示を受けている」場合。この場合は労働時間と判断されます。
たとえば上司から前日に「始業前に来て雪かきをして」と命令を受ければ、指示されたと判断されて、使用者の指揮命令下に置かれると判断されるのです。時間外手当を請求できる可能性があります。
ただし、判断がむずかしいのは黙示の指示です。上司から「雪かきをして」と指示されていないが、やらなければならない状況に置かれるような状況が当てはまります。黙示の指示かどうかはケースバイケースといえるでしょう。
ただ、自分から「雪かきをしないとみんな困るからやっておこう」というケースは、命令ではなく自分の意思ですから、使用者の指揮命令下に置かれていないと判断される可能性は高いです。基本的に「始業前に雪かきをして」と上司からいわれたら、使用者の指揮命令下に置かれると判断できるため、労働時間に含まれます。
店舗や会社の除雪に役立つ設備・機器
遠赤外線を利用した照射型の融雪機
遠赤外線照射型融雪機は遠赤外線で雪を溶かします。雪や氷の分子を遠赤外線で振動させて熱エネルギーに変える仕組みです。人力では労力がかかるほか、年齢によるリスク、コストの問題があります。遠赤外線照射型融雪機は、こうした問題を解決する目的で開発された機械です。
遠赤外線照射型融雪機のメリット
メリットは多いです。雪を溶かしたい箇所だけ、ピンポイント的に溶かせる点が主に挙げられます。地中を暖めて雪を溶かすロードヒーティングよりも、エネルギー消費量が少なく融雪ができるため、省エネができるという点もメリット。
自動運転ができるため人手不足も解消可能です。除雪センサーによる24時間自動運転、降雪と同時に点灯して雪が積もるのを防ぎます。自動運転のため、予想外の降雪にも対応がしやすくなります。
ポール取付式ですから、路面工事や配管工事も要りません。雪が降る時期だけ設置できるのもメリットです。人の往来がある場所でも通行の邪魔をせず、手間やコストを抑えた運用ができます。
遠赤外線照射型融雪機は多くの場所で活躍している
遠赤外線照射型融雪機はすでに多くの業界で活躍しています。たとえば物流拠点です。重量制限があるため、路面ヒーティングが使えないような場所は、人力による雪かきで対策してきました。遠赤外線照射型融雪機を導入することで、トラックヤード、フォークリフトなどの搬入出経路、工場シャッター前などを融雪。車両のスリップや荷崩れなどの事故の予防にも役立ちます。
店舗入口や非常階段でも活躍しています。店舗のエントランスや、大学のエントランス階段前に設置されている事例があり、階段や通路が雪で凍ることによる転倒リスクを抑えられます。他にも駐車場や高速道路、上下水道施設、送電施設などで無人による雪害対策を行うことが可能です。
除雪機
店舗や会社のエントランス、敷地内の雪かきの負担は大きいです。 個人宅に比べ敷地が広いため、人力での除雪は時間と労力が負担となります。こうした問題への対策として、除雪機の導入が挙げられます。少ない人数で効率的に除雪ができる上、自動で動くため作業をする社員の負担も軽減できるでしょう。雪が多く降る地域の場合、ロードヒーティングや遠赤外線を用いた機器では対応しきれない場合も考えられます。そういった状況で除雪機は活躍してくれるでしょう。
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