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除雪機のエンジンがかからない時の対処法は?

除雪機のエンジンがかからないと「故障?」と焦るものです。ただ、原因を知っていれば適切に対処ができます。たとえば、カブりという現象が原因として考えられるのです。除雪機のエンジンがかからない原因と対処法を解説します。

エンジンがかからなくなる理由は?

動いていたエンジンが止まった場合は「カブり」の可能性がある

一旦エンジンが始動したにもかかわらず止まってしまったら「エンジンカブり」と「チョークレバーの操作ミス」が考えられます。また、両方が同時に起きることもあるのです。カブりとは燃料が出すぎて、プラグが濡れると起きます。

エンジンは、ガソリンをはじめとした燃料を燃焼させて動かす仕組みです。燃焼させるには、点火プラグが欠かせません。燃料と空気を混ぜたものに電流を流して着火するために備わっています。ただ、燃料が着火しないと、エンジンはかからないのです。燃料が出すぎるとプラグが濡れてしまい、かからなくなります。それが、エンジンカブりの根本的な原因です。エンジンカブりは、適切な対処をしないと改善しません。また、除雪機でエンジンカブりが起きる原因として、エンジンオイルの入れすぎが考えられます。

チョークレバーの操作ミス

チョークレバーの操作ミスもカブりが起きる原因です。チョークレバーは、エンジンをかけるときは開いた状態にしておきます。エンジンがかかると、徐々に閉じてエンジンを暖気するのです。除雪作業時はチョークレバーを閉じます。

エンジンがかかりづらいからといって、チョークを開いてなんどもリコイルを引き、強引にかけようとするのは適切な操作ではありません。点火プラグでカブりが起きる原因になるからです。チョークレバーはエンジンをかけるときに開き、運転時に閉じてください。

上記のエンジンカブりの理由である「エンジンをかけてすぐに止める」ことや「チョークレバーの操作ミス」はよくある原因でしかありません。後述しますが、対処法を試しても改善しないようならまた別の原因が隠れている可能性はあります。

ただし、多くの場合、除雪機のエンジンがかからないのは、エンジンカブりによるものです。エンジンカブりが起きた場合、何分か放置していれば改善するというものでもありません。原因を特定し、適切に対処して改善するようにしましょう。

どのように対処すればいい?

エンジンオイルを大量に入れていたら調整が必要です。速やかにオイルを抜いて調整してください。オイルを抜いていて汚れが目立つようなら、1度全部抜き出して新しいものに入れ替えます。

点火プラグでカブりが起きたと考えられるなら、汚れていないか目視でチェックしてください。除雪機の点火プラグを外す方法は、マニュアルを見て適切に行いましょう。点火プラグはネジのような形をした部品です。エンジンブロックから取り外し、突起の部分が湿っている場合は、カブりが起きたと判断してもいいでしょう。

点火プラグは、簡単に掃除できます。ただ、ティッシュ、毛羽立ちが起きるタオルや雑巾で拭くのは控えたほうがいいです。ウェスを使用し、カブりが起きて湿った部分を丁寧に拭きましょう。

ウェスで吹いても湿りが取れなければ、ライターであぶって乾かすのも有効です。ただし、あまりに長時間あぶりすぎるのはよくありません。改善が見られるようなら改めて「カブりが原因だった」と判断できます。カブりが起きたときの参考にしてみてください。

点火プラグを再装着する際にも段階があります。最初に、チョークを開けたらリコイルを20回ほど引いてください。理由は、シリンダー内のオイルを出すためです。次に点火プラグを装着して、チョークを開けたままリコイルを引いてエンジンをかけます。リコイルを10回ひいてもエンジンがかからないようなら、チョークを閉めてからもう一度同じ流れでエンジンをかけてみてください。

かからないなら、再び点火プラグをチェックします。掃除を行っても改善が見られないようなら、点火プラグ自体に問題が潜んでいる可能性があるのです。他にも原因が潜んでいるかもしれませんが、点火プラグに問題があるようなら交換したほうがいいでしょう。

カブり以外の原因もある?

燃料コックは開いているか

点火プラグ以外に、エンジンがかからなくなる原因が複数あります。たとえば、燃料コックが閉まっている状態です。燃料コックが閉まっていれば、ガソリンを供給できません。燃料コックを開いてから、エンジンをかけてみてください。

エンジンオイルやガソリンの過不足

エンジンオイルやガソリンが多すぎたり、不足しているのもエンジンがかからない原因となりえます。マニュアルに従い、適切な量を補給しましょう。ガソリンやオイルの入れすぎがカブりを引き起こすからです。少なすぎてもよくありません。エンジンオイルの汚れや少ない状態だと、不完全燃焼になるため注意が必要です。

バッテリーがあがっていないか

バッテリーあがりもよくある原因です。セルが回らないようでしたら可能性を考えてみてください。バッテリーの電圧を確認して上がっているようなら再充電が必要です。自分で管理し、保管するなら、シーズンオフ時でもバッテリーの充電をしなければなりません。小型バッテリーはホームセンターでも販売しています。

バッテリー上がりの原因も複数あります。よくあるのがスイッチの切り忘れです。オフシーズンになると、除雪機を動かすことはほとんどなくなります。スイッチがついたままだとバッテリーが上がってしまいます。使用したいときにバッテリーの再充電という手間がかかります。

バッテリーの保管方法として、室内に保管する方法も選択肢に入れてみてください。除雪機から取り外して保管するだけです。保管中も電圧をチェックしたほうがいいです。問題があるなら再充電しましょう。

マニュアルをしっかり読んで、定期的にメンテナンスしていればバッテリーあがりも防げるでしょう。ちょっとした配慮が適切な保管につながるのです。

中古の除雪機の場合に考えられる原因もある

キャブレーターは詰まっていないか

中古除雪機でよくあるのが、キャブレーター詰まりと、エアクリーナーのトラブルです。新品や新品に近いものだと起きないトラブルのため、中古の除雪機でエンジンがかからなくなったらチェックしてみてください。

キャブレーターはエンジンブロックでよくあるトラブルです。古く、不完全燃焼を繰り返してきた除雪機でよく起きます。原因はエンジン燃焼時に発生するススや汚れです。キャブレーターが詰まると、混合気が作れずに燃焼が起きません。当然、エンジンはかからないのです。

点火プラグの掃除は、専門知識がなくても対処できます。ただ、キャブレーターの掃除は、エンジンブロックの中をいじることになり、ハードルが高くなるのです。手順はエンジンブロックを外し、キャブレーターを分解して洗浄し、元通りに組み立てます。

専門知識がなく、慣れていない場合は分解後、元に戻せないリスクもある作業です。メーカーも推奨していませんし、自己責任で行わなければなりません。キャブレーターが問題ならメーカーや専門業者に相談したほうがよいでしょう。

エアクリーナーのエレメント

大型の除雪機では、エアクリーナーのエレメントが詰まっている可能性も考えられます。エアクリーナーのエレメント詰まりは、不完全燃焼の原因です。エアクリーナーのエレメントのメンテナンス方法はマニュアルに記載されています。適切に交換するようにしましょう。

その他:除雪機がエンストする原因・事例

オーガに石などが挟まった事例

オーガレバーを握ったときにエンストが起こってしまうというご相談でした。調べると「オーガロック」、つまりオーガに石が挟まっている状態でした。石を取り除いたらエンストが解消されました。

参照元HP:プラウ PLOW|【除雪機】ホンダ除雪機HSS970n 除雪クラッチを握るとエンスト(https://plow-power.com/repairblog/blog-3360/)

ガソリンの劣化による事例

エンジンがかからないという相談を受けました。調べてみたところ、燃料コックを止めて空運転させた状態で保管していたため、タンク内の劣化したガソリンによって燃料コックのパッキンが機能しなくなっていたことがわかりました。キャブレターに流れ込んだガソリンがさらに劣化し、詰まりが生じていたので、スクレーパー調整・スキッド交換・オーガおよびブロワのロックボルト増し締めを行いました。

参照元HP:ホンダガーデン 店長日記|燃料コックがダメになってました(https://honda-garden-blog.com/archives/3319/)

オイルの入れすぎによる事例

エンジンの調子が悪いという相談を受けました。エンジンオイルの量を調べてみると、ゲージを超えていました。つまり、エンジンオイルを入れ過ぎたことトラブルの原因になっていました。規定量にしたところ、エンジンの調子が回復しました。

参照元HP:ホンダガーデン 店長日記|原因は、オイルの入れすぎでした(https://honda-garden-blog.com/archives/792/)

給油キャップのパッキン紛失による事例

何度もエンストして困っているという相談がありました。この不具合の原因は、給油キャップにパッキンが付いていなかったことでした。給油の際に何か落ちていたけれどそのままにしてしまった、とのご説明でした。給油パックのパッキンは「キャップを閉めたときに完全密閉の状態にならないようにして、燃料タンク内に空気が入り込めるようにする」という役割をもつ、重要なパーツです。

参照元HP:ホンダガーデン 店長日記|何度もエンストする原因は・・・(https://honda-garden-blog.com/archives/733/)

取り扱いには注意が必要!いざとなったら業者への相談も検討

除雪機のメンテナンスは、日常的に行うのがおすすめです。特にオフシーズン時の保管では、充電を忘れていると、利用したいときに動かないことにつながります。また、エンジンカブりなどの問題に対する適切な対処法を理解し、万が一起きた場合は、適切な対処方を用いて落ち着いて解決しましょう。

ただ、点火プラグの劣化やエンジンブロック内のトラブルは、専門知識がないと解決は困難です。下手に分解すると余計壊してしまう可能性もあります。日常的にメンテナンスしながらも、対処がむずかしかったり、原因がわからない場合は、素直に業者やメーカーに相談することをおすすめします。

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おすすめの除雪機メーカー 3選

除雪機専門メディア「雪ブンブン」では、主要な除雪機メーカー9社・125製品をとことん調査。調査で浮かび上があった各メーカーの特徴をピックアップ!どのメーカーの除雪機を選べばよいのかわからない方は、ぜひ参考にご覧ください。

高性能で馬力のある
除雪機のラインナップが豊富
国産
メーカー
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  • 自社で開発・製造をしているため、扱いやすさを追求した除雪機が魅力!
こんな人におすすめ
  • 馬力があり、扱いやすい除雪機が欲しい
  • たくさんの除雪機の中から、自分にあうものを探したい
対応タイプ
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中型
大型
2万円~10万円代の小型で
低価格な除雪機が豊富
中国
メーカー
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  • 日本語の説明付きで、組み立ても簡単
こんな人におすすめ
  • 収納に困らないコンパクトな除雪機がほしい
  • ちょっとした庭先の除雪やママさんダンプより楽に除雪したい
対応タイプ
小型
中型
大型
運転時の騒音を軽減する
静音モデルの除雪機が豊富
国産
メーカー
ヤマハ
  • 手押しの小型から中型の除雪機で、静音モデルタイプを展開!
  • エンジン部を囲い込んで騒音を低減する静音設計だから、深夜や早朝の除雪作業にも◎
こんな人におすすめ
  • ご近所さんが隣接しているので、運転音が軽減された除雪機が欲しい
対応タイプ
小型
中型
大型
今回調査した
除雪機メーカー
ワドー(和同) / ホンダ / クボタ / ヤマハ / ヤンマー / 工進 / フジイコーポレーション / ハイガー / ヤナセ
選定基準

「除雪機 メーカー」とGoogle検索、表示された上位9位のメーカーをピックアップ。(2022年1月7日調査時点)
・豊富なラインナップ…9メーカーのうち、最も除雪機が多かったメーカー(ワドー(和同))
・低価格…9メーカーのうち、最も低価格の除雪機を多く扱っているメーカー(ハイガー)
・静音モデル…9メーカーのうち、最も静音モデルが多かったメーカー(ヤマハ)